のんのちゃん

雨は上がり、西の海上に三日月は傾いて、東には冬の星座辺りだけが見えていました。
潮騒は遠く、港の灯りを映しながら、寄せては引いてを繰り返しているのでしょう。
海風も無く、明日のお天気を約束しながら、夜は更けていっていました。

いつもと変わらない愛が、祈りの中であなたを抱きしめて、其の旅立ちを見守ります。
あなたを守り通した愛に、あなたは優しく見つめて微笑んでくれたのですね。
あなたがいつも見守ってくれたように、其の愛もまた、いつも地上からあなたを見守っています。



幾つもの愛を抱きしめて、幾つもの美しい風景の中にあなた達を偲びます。
遠き日の約束は守られ果たされて、やがて報われて、涙滴に緘じられ天へ昇華されます。
あなた達が健やかで微笑んでいるのが、何よりの幸せであり喜びです。

涙が教えてくれるのは、「守り続ける愛は、天上にさえ届く愛」。
合掌。

ご依頼主様　　和歌山県和歌山市　O様

告別　　　　　のんの11歳　平成30年1月22日