モモちゃん
雪の舞った空は、午後から開けて、一気に青空が広がって行きました。
冬枯れの山は、それでも緑を残して、冷たい風に吹かれていました。
やがて舵を西に切り、ひたすら西へ西へ夕陽を追いかけていました。
日が沈み山の端は黄金に染まり、細い月は青の中に浮かんでいました。
厳かな空気と景色の中で、愛しいあなたが旅立ちます。
家族は礼を尽くして、それぞれの祈りの中で、あなたを見送ります。
思わず零れてしまう涙は、大切なものを失う痛みからでしょうか。
あなたとのかけがえのない日常に感謝が在るから、泉のようにあふれます。
一筋の涙は、消えない想いの中で温められて、ゆっくりと乾かしてゆきます。
涙が教えてくれるのは、「消えない想いの中で、身も心も温められて」。
合掌。
ご依頼主様 兵庫県姫路市 K様
告別 モモ17歳 令和4年1月6日