はくちゃん
穏やかに日差しも在った天は、時の無常で星ひとつ無い空でした。
ただ不明な光一筋だけが、半弧を描いて動いて、物哀しい夜空でした。
積む悲しみは、鉛雲のように垂れ込めて、心は行き場を失くすようです。
それでも、いつもの愛は礼を尽くして、あなたの旅立ちを見守ります。
其の無垢な身は、徳を積む証しで、純白な心の映りそのものなのでしょう。
其の清らかさに、「空即是色」とはそういう事なのかと思うほどです。
青き空に真白な雲を見たなら、あなたの面影と、追うことでしょう。
そこには虹が架かり、健やかに仲良く戯れるあなた達が居ます。
地上の愛は、消えない想いで、其の名を呼び偲びます。
涙が教えてくれるのは、「徳を積む証しは、真白なる心に在って」。
合掌。
ご依頼主様 和歌山県和歌山市 S様
告別 はく14歳 令和元年12月21日