ナツちゃん
寒い冬はなお続いて、風が幽かなだけ救いでした。
冬枯れの前山に春隣を感じられずに、ただ空ろに見ていました。
遠いあの日の変わらぬ愛に見守られて、あなたが旅立ちます。
其の愛は、春のように優しくて、あなたを包んでくれました。
其の愛は、陽だまりのように温かくて、あなたを慈しんでくれました。
そんな愛を纏ってあなたは、これからも健やかに春の中に居るでしょう。
あなた達がまた出会い、幼い頃のように、戯れる景色を想います。
「ありがとう」は、遠い日よりずっと続いて、常に忘れずに来ました。
地上で愛は、愛しい日々を振り返り、祈りを捧げて手を合わせます。
涙が教えてくれるのは、「纏う愛は、春のような愛」。
合掌。
ご依頼主様 和歌山県岩出市 N様
告別 ナツ18歳7ヶ月 令和4年2月23日